小池千枝(1916-2014)
長野県須坂市大字小山(南原町)出身
ファッションデザイナー育成者
文化服装学院元名誉学院長
世界の民俗人形博物館名誉館長
須坂高等女学校(現長野県須坂東高等学校)卒業後、上京し現文化服装学院助手となり、長野市出身の小池正治と結婚。夫戦死の後、二人の娘は東京新宿の家にて母、咲(さく)にみてもらい、単身渡欧。最先端の洋装・ファッションを学ぶ。
フランスからの帰国後、文化服装学院において高田賢三、山本耀司、コシノヒロコ、コシノジュンコ、丸山敬太、津森千里等多くのファッションデザイナーを育成し、日本のファッション界を世界的レベルに押し上げた。
その実績から日本ファッション界の“ゴッドマザー”と呼ばれ、海外でも“マダム・コイケ”として極めて有名。
国内でもファッション界にとどまらず、財界人・学者・芸術家・建築家との交流も多く文化服装学院名誉学院長退任後も、各界と交流し、自宅で“小池塾”を開き、ファッションを通じ、物の見方や考え方などを指導した。
また、北海道から沖縄各地、文化服装学院連鎖校を立体裁断を教えるために裁縫教室をまわり、洋服制作の技術普及に努めた。
2014年9月5日、文化服装学院卒業生である高田賢三・コシノヒロコ・コシノジュンコが発起人となって開催された「小池千枝先生を偲ぶ会」では、卒業生約600人が集まった。小池千枝と生前親交のあった歌手加藤登紀子が壇上でアカペラにより独唱を披露するなど、各界との交流を物語る会となった。
長野県須坂市に世界90数か国の民俗人形1,200体あまりを寄贈。1997年に須坂市に開館した「小池千枝コレクション・世界の民俗人形博物館」に収められている。
2016年には「小池千枝の軌跡 ~100年の情熱」と題した100歳記念展を開催予定。
小池千枝がファッションにかけた情熱を次世代に伝えるため、世界の民俗人形からインスピレーションされた、教え子コシノヒロコらの作品を展示する。
主な著書
- 『ワンピースの作り方』文化の作り方シリーズ(1959年、文化出版局)
- 『立体裁断』(1962年、文化出版局)
- 『立体裁断』(1969年、文化出版局)
- 『袖―着やすさと美しさのテクニック』(1976年6月、文化出版局)
- 『服飾造形論―着て・動いて・美しく』(1981年7月、文化出版局)
- 『新・立体裁断―クリエーターのためのドレーピング 』文化ファッション講座 (1984年2月、文化出版局)
- 『ともに学ぶ、ともに遊ぶ』サクセスフルエイジング対談 (1998年8月、福原義春との共著、求龍堂)